デカメガネおじさん レクイエム

 

とても仲良いセクハラのおじさんが誕生日手前にして病気で亡くなってしまった

身の回りでこんなことはほとんど初めてなのでまだまだ整理がついていない

 

整理がつかないので思い出とかまとめて

社員の人や親交あった限られた人にだけ見せてます ごめんなさいほとんど自己満ですが

付き合ってくれる方は読んでください

 

 

 

 

 

最初に話しかけた時のこと めっちゃ覚えててバス待ってるときに あのおじさんがコンビニで買った あの図体には小さすぎるハンバーガーを立ちながら食べてるのを

 「いやテリーマンやないすか」って言うたらめちゃくちゃ笑ってくれたことだった

キン肉マンに出てくるテリーマンは路肩でハンバーグを立ちながら食べるから)

 

そこから僕のことをそういうサブカルな事を言ってもわかってくれる人だと思ってくれて

むこうもレベルちょっと高い昔のアニメとか漫画、ネットミームとかのことを 言ってきてわかったりわからないときがあったりして喋ってた

 

だんだん仲良くなって敬語も解けていって

タメ口で喋る友達とお兄ちゃんの間みたいな存在になっていった

 

俺もおじさんしかわからんこと言うて

「おい!俺がわかるからええけど!他にはわからんぞ」みたいなノリが楽しくて多分向こうも楽しかったと思う

 

どっかのタイミングで僕の地元にあるラーメンが昔好きで通ってたけど車もないし長らく行ってないというのを聞いて 

 

僕ともう1人のデカい友達もそこが好きで良く通ってたから 車で勤務終わりのおじさんを迎えに行って 一緒に食べに行ったりとか

別の日は雨の中タクシー3人で乗ってまたそこに行ったりとかした

 

一回もう1人のデカ男はおじさんのことをほんまに恋愛対象男性なんだと思ってめっちゃ車で問い詰めてた回があった

おいあれ失礼やったぞ覚えてないか知らんけど

良い人やから違うよーってニコニコして答えてたのを覚えてる

もっと怒りやそういうのおじさんも

 

寒すぎる北風がびゅんびゅん吹く勤務終わりに

2人で一緒に着替えてたら

「無理すぎる!寒い!ラーメン行こ」って言われて福島のJETまで行ったこともあったし

 

心斎橋の方にあるめちゃくちゃ美味しい「フラン軒」ってラーメン屋にも2人で行ったし

 

コロナ真っ最中の時も勤務前に難波の居酒屋のランチメニューのチキン南蛮を食べた記憶もあるし

 

おじさんとの記憶はほとんど食べ物で繋がっている 

 

おじさんはパチンコに狂っていたので 

たまに大勝ちする時がありそのときは結構奢ってもらってた

 

中でも給料2ヶ月分くらい勝ってたとき

「〇〇くん(デカ男とは別の男)ときょうちゃん、なんでも高いもの食べに行こう!」って言ってくれて

行ったことないめちゃくちゃ高い京橋の鉄板焼きのコースを僕ら2人におごってくれたこともあった

慣れてなさすぎて料理を紹介するくだりをスキップしかけたり 3人とも終始ソワソワして味もそこまで覚えてなかった 

でもそういうのが楽しかった

 

多分ほとんど負けてたから奢ってくれるのは年に一回あるかないかで

基本は割り勘でそういう関係が気遣わないし心地よかった

 

そういう良いところもあれば全然悪いところもある人で

 

勤務中に体触ってくるノリはそもそもあったけど いやそれも嫌やったけど

難波のモスバーガーで友達を待ってて2人きりの時に隠れて膝をサワサワさわってきたのは

 

「それはもうノリじゃなくてガチやぞ」

って僕からキレたこともあったし 

 

コロナで仕事がストップした明けの仕事で久々に顔を合わせたら

「俺とお前との間にソーシャルディスタンスなんかあると思うな」 直球のセクハラをしてきた

 

ノリで羽交締めされて体を触られた時は全く動けず 性犯罪の怖さを知ったり

思いっきりみぞおちをチョンとしてきて

マジで殺すぞ! とブチギレたら僕の言葉悪いとみんなになぜか怒られたり

普通にちゃんと愛撫してきたり

 

あのおじさんは自分が力強いことを忘れてコミュニケーションを取ってしまうモンスターみたいな人だった

 

僕にすぐセクハラはしてしまうけど

体調安定しない僕のことを倒れるたびいつも「大丈夫?」と気にかけてくれたし すぐリミッター超えて頑張りすぎる僕に「そんなに無理して働かんでええで」とか 優しい言葉もかけ続けてくれてた

 

いやーね

 

セクハラさえなければ最高なんですが!

 

たぶんあのセクハラもおじさんからしたら下手なりのコミュニケーションだったんだと思う

 

いやあかんやろ

 

マジで上の社員に相談するか迷ってたからなアレ

乳首とかもすぐ触るし ええ加減にせえよ

あの世で少年とか触ったらあかんねんぞ

 

正直ここで書けないくらいの強めの言葉のセクハラも受けてた いやまぁ冗談の延長みたいな感じやけど体でかいし目怖いから全然冗談なってなかった

 

本当の兄弟みたいにめっちゃ仲良いときもあれば セクハラさすがにキモくてちょっと嫌いみたいな時期もうろうろしながら 

でも奥底ではずっと仲良いみたいな感じ

 

会社の研修のときもこの中で人間力がある人みたいなところで 僕の名前出してくれたりしてた

「きょうちゃんのまわりには人がいつもいて とても素敵な人間です」と言ってたのを覚えてる

 

コロナが明けていくにつれて僕も別で違う仕事とかしたりあまり現場で会わなくなり

ラーメンに行くのもちょっとずつ減っていった

 

去年とかはご飯行ったっけ?ってレベルだ

疎遠になったと思えば会うようになったりとか

自分自身そこで働く頻度も減ってきてたので

僕に会った時は心底嬉しそうにして

「これ拾えるのもうきょうちゃんくらいしかおらんから」って嬉しそうにそして寂しそうにいつも矢継ぎ早にボケてきてた

 

会わなくなるちょっと会いだす

会わなくなるちょっと会いだす

みたいなリズムになってきた時

ピタッと姿を見ない時期が来る 今年の春

 

流石に心配になって聞いてみると

結局デマやったんやけど

「おじさんは胃ガンでもう助からんみたい」

という話を耳にする

 

すかさずLINEする

 

「生きてんのか!?」

 

でもいつまで経っても既読がつかないので

おそらく本当にダメなんだとラーメンを一緒にいってたデカ男と2人でとても悲しんだ夜があった

 

そこからプライベートもいろいろあって忙しくなり文字通り忙しない日々を送っていく 暦が梅雨に変わり なんとなくLINEを見てみる既読がついてる 「うお!生き返った!?」

と思って追いLINEしてみると

「生き返ったよ 入院してて死ぬかと思った」

と返信がきて僕ともう1人はすごく喜んだ

 

「快気祝いにラーメンいくぞ!」

と言ったら

「医療費が返ってきてなくてお金なさすぎるから9月までちょっと待って」

 

仕事で会ったおじさんはガリガリに痩せてて

入院ダイエットも良いよねとか言いながら生き返ったことにほんとに喜んだ

 

どうやらガンではないけど

マジでやばかったらしくて

奇跡的に回復したけど なんで回復したのかもわかってないから月1で病院行くという

「まぁ生き返ったならそれで良いんやん」って

ラーメンの約束をしてみるが

9月は予定がデカ男となかなか合わずに

結局10/12にラーメン行くことに

 

地元の駅に22:30くらいに電車で来てもらってそこから拾ってラーメン屋に行く またパチンコ屋で18万くらい勝ってたみたいで

 

「今日のラーメン全部奢るから!軍資金はたんまりある!」

 

普段デカ男と行ったらほとんど頼まん高めのサイドメニューとか頼んで多分3人で13000円くらいお会計行ってたけど全部払ってくれた

 

帰りおじさんの阿波座まで送っていく

もう夜中の1時半

 

「会社ではきょうちゃんと〇〇さんくらいしかプライベートで遊ばんからなぁ」

 

と嬉しそうに話してた 

 

「7年くらい住んでる俺のマンション最近めっちゃライトアップの工事されてさぁ」

と話してたら到着する

 

ほんまにめちゃくちゃラブホみたいなライトが入口に

 

ラブホみたいな自宅に消えていくデカいおっさん

めっちゃおもろかった

なんであんなエロく光ってんねん玄関が

 

最後「送ってくれてありがとー!」

がめっちゃ笑顔やったの覚えてる

めちゃくちゃたのしかったんやろうな

良い快気祝いができたよ

あんたがパチンコ勝つから一銭も払ってないけど

 

そしてその後は一回くらい仕事でかぶった程度で

「またあそこのラーメン一緒に行きたいな」

とか言ってたけどめっちゃ呑気に

「一年後またパチンコ勝ったら誘うかー」とか友達と話してた

 

11月は別の仕事を僕はしていて 一旦会う機会もなくなり 元気そうだったから安心しきってたまにしか思い出さない程度になってた昨日に

 

おじさんが先週に35歳で亡くなったことを聞く

 

めちゃくちゃ大人数で飲み会してた時に見たから最初は実感なかったけど深夜になるにつれて

実感がめちゃくちゃ湧いてくる

 

柄にもなくこれ書きながらも1人で頭痛なるくらいオイオイ泣いてしまうし

もう1人のでかいやつにも報告したけど気が滅入ってるみたいやし

こんなに悲しむのはおじさん嫌がりそうやから

2日もしたらやめるよ

 

でもめちゃくちゃスピってるんやけど元気になった最後の4.5ヶ月くらいはみんなに挨拶まわりするための期間やったんかなと思うことにした

それすら出来ずに突然亡くなる人もいるんやし

その期間があったおじさんは幸せやったで

 

落ち着いてきて最後亡くなる前に大好きなラーメン屋さんに一緒に行けて良かったと胸を撫で下ろす 

 

次は永遠になかったけど

次がない感じオシャレオシャレ知らんけどな

 

亡くなってからもっとあれしてあげたら良かったとかもっと話したら良かったとかは失礼な気がするから 何も思わないことにする

そんなん言うたらキリないし

 

おじさんの分までほんのちょっとでも長生きしようと思う 

早く死んだら多分セクハラされるしあの世で

 

死ぬほど足臭い日あったから来世は靴いっぱい買えよ 同じ靴ばっか履くから蒸れるんやでそれ

 

おじさん いろいろお疲れ様

 

あんたの写真掘り返してたけど投げキッスしてるやつばっかで最悪やわ 最高最高

仲良くしてくれてありがとう

俺死んだときはお尻一回触ってええよ

 

また何十年後かに!